[PR]100万円が無料で当たる!:今すぐ応募して現金を当てよう!

食卓作法の起源って?

 共食をする動物
「人間は共食をする動物である」といわれます。原則として動物の食事は個体単位にとられるのに対して、人間の食事は一人だけで食べるものではなく、他の人々と一緒に食べることが原則になっています。世界中の民族を通じて、食事を共にする集団のもっとも基本的な単位は家族である、ということになっています。もともと、家族という集団そのものが(1)性的結合関係とその間に生まれた子供の養育、(2)その関係に含まれる集団内での食物の獲得と分配関係、という二大原則にもとづいて形成されたものと考えられます。
 共食とは限りのある食物を分かちあうことです。分配にさいして力のある者が食物を一人占めにしないように、食事のさいに守るべきルールがつくられなくては、食事の場の秩序が保てません。この共食をめぐって成立したルールが食卓作法の起源となります。
会議と宴会と共食
また、共食は食べ物を均等に分配しあうという役割だけでなく、共に食べることにより共に楽しむ=仲良くなるという役割も果たしていたようです。
ヨーロッパの料理、とくにフランス料理が発達してきたのは16世紀以降ですが、そういった料理の近代化が出てくる前から、「食べる」ということには特別な独特な政治的、社会的な意味が付与されていました。つまりそれは「食べ合う」ということの楽しさであり、宴会が人と仲良くなるための手段、機会として非常に大事にされてきました。フランス語で会食者のことをコンヴィーヴ(Convive)といいますが、要するに「共に食べる」ということなのです。この共に食べるということが非常に大事で、これこそがお互いに心の通じない人々との間を仲良くしていくことに役立ち、大げさにいえば、国際関係をうまく維持していくために非常に重要視されたわけです。
 たとえば今日の議会のはじまりは、中世に行われた封建会議という主君と臣下の集会でした。最高主君である国王が、臣下のほかに市民(地主)代表をも召集し、租税を要求する。それに市民が応じる代わりに、市民(地主)代表の要求も認め、これを制定法の形で定めるというのが、近代的議会の始まりだそうです。ところでもとの封建会議は、一年に一度とか、二度しか開かれないもので、たとえばお正月のときにというふうに、決まった宗教的な祭日に開かれるだけでした。ですから、そこで主君と臣下が政治上、裁判上のことを討議するというのはじつは二の次で、何よりもまずそれは、主君と臣下、あるいは臣下同士が戦争をしないための懇親会でした。つまり宴会をするわけです。たくさんのお土産を持って、臣下である地方の貴族が主君の城館にやってくる。主君はそれに対してごちそうをして、共に楽しむ。それが当時の封建会議のいちばん重要な目的だったといえるようです。

家族の食事 
 以上、食事という「共に食べる」ということが、食の配分をめぐっての礼儀作法的役割を果たすとともに、食卓で共に会うということ、つまり食べ物を単に口にいれるということだけでなくて、食卓が人間関係のシンボル的な役割も果たしていることがわかりました。しかし、これらのことは宴会・議会の場だけでなく、個々の家庭でも同じだったようです。
昔の食べ物といいますと、ふつうの農民であればポタージュだったそうです。

ポット(pot)ーフランス語ではポーというといまは長い水の容器を考えるのですが、もともとは大きな鍋(ポ)のことだったそうで、要するに鍋で煮たものがポタージュ(potage)だったそうです。昔は大鍋に野菜をいれて、それにブタの脂身とか家畜の肉を少し混ぜてグツグツと煮る。つまり野菜入りのブタ汁といったようなものですが、これが一軒の家の主食だったのです。これを囲んで食べるのが、要するに「家族」ということの意味でした。そこでお互いに硬いパンをかじり合う。パンといっても昔のパンはみんな丸いパンで、長細いパンはなかったそうです。丸いパンをフランス語ではブール(boule)といいます。丸パンづくりがブーランジェ(boulanger)、つまりパン屋ということです。中世ではこのパンはつくり置きしましたから、すぐに硬くなってしまった。噛もうにも割ろうにもどうしようもないというので、なたを持ってきてバーンと割ったというのですが、割ったパンを、水、ブドウ酒、スープなどにつけて食べ合う仲間、これがコンパニオン(companion)です。コンパニオンというのは、クム(cum)という、「共に」を意味するラテン語と、パンを意味するパニス(panis)の合成語あり、「パンを共に分け合って食べる親しい仲間」という意味です。これがつまり家族ということで、一つのパンを食べ合いポタージュをすすり合うということが、家族の原点だということが言えるわけです。

 参考文献:『食の文化シンポジウム 人間・たべもの・文化』 1980年発行 編者:石毛直道 株式会社平凡社 

[PR]話題の新車を無料プレゼント中:必ず当る抽選会!今すぐ応募で簡単GET